正しい手裏剣の飛ばし方
2005年1月21日忍者に憧れた時期がありました。
もうのっけからため息の出るような日記ですが、小学校から高校くらいまでの間、時々突発的に忍者に憧れてどうすればこの近代国家20世紀日本において忍者になれるか真剣に考えたことがありました。
なぜ僕は忍者に憧れるようになったか。きっかけは当時放送されていた忍者ハットリ君のアニメを見たから。…と言えば、まあわからないこともないかもしれないですが、実は当時愛読していた「薬用植物百貨事典」に触発されたというのが本当のところでした。
僕は子どものころからどこにいっても運動神経ゼロというレッテルを貼られてしまうほど運動が苦手な子どもで、別に特別インドワ志向だったわけではないんだけれど、ともかくドのつく運動音痴でした。なので、体の機敏さを生かした職業としての忍者に憧れたわけではなく、どちらかというと忍びの術を用いて巧みに世を生き抜くみたいな、いわゆる闇のインテリヒーロー的なところに憧れを持ったわけです。
まあ、といっても本気で「もう僕の未来は忍者しかない」とか考えたわけではなくて、ちょっと日光江戸村や伊賀の里なんかで職業忍者としての需要があるなんてことを調べてどきどきしていた程度でした。じゃあ忍者に憧れた佐藤少年は実際に何をしていたのかというとお風呂で水団の術を試みて失敗して溺れかけたり、麻越えの鍛錬をしようとして、でも麻なんか容易に手に入らないから、毎日一部ずつ四つ折の新聞紙を積み重ねていって、その上をジャンプで飛び越える。で、すぐに限界が来て山積みの新聞に躓いて転び、ひざをすりむき半泣きになる、散乱した新聞紙を半泣きのまま片付ける、みたいな感じで可愛らしい子どもの一人遊びの域を出ないままあっさり終結していったわけです。
その他にも、例の百科事典を参考に怪しげな忍者食なんかを作ろうと試みたりしましたが、いずれも人間はおろか世のいかなる生命体にとって決して栄養とはなり得ないであろう物体が完成し、自作の手甲、水蜘蛛、マキビシも実用のめどが立たず、ついに独学での修行を断念。ひたすら当時習っていた剣道と書道の稽古に精を出したわけです。でも、今考えれば剣道と書道の稽古に打ち込むあたり、忍者に憧れる土壌は充分にあったのかもしれません。さらに言えば当時その他に熱を入れていたのは将棋、相撲観戦、大河ドラマ鑑賞、シソの栽培…う〜ん、いじめの対象になってもおかしくなさそうな子どもだなあ。
時は現代に戻って、最近論文執筆のために「日本人の伝統文化」という本を読んでいたんだけど、その中に「忍術」というコーナーを発見してしまいました。その中に手裏剣の投げ方が書いてあったんだけど、ふと「そういえば忍者ハットリ君のあの片ひざをついて右手で払い上げるような投げ方は実際のところありなんだろうか」と考え、次の瞬間にはパソコンの電源を入れていました。
さっき忍者ハットリ君に触発されたわけではないと書きましたが、もちろん僕もハットリ君のアニメは見ていました。その中でハットリ君が使う主要忍術といったら間違いなくあの手裏剣でしょう。そこで一つ思うこと、同じことを考えて実践し疑問を抱いた人も実は多いのではないかと思うんですが、あのハットリ君が手裏剣を投げるフォームは果たして実際に使用できるのか?と。
映像を見る限り、ハットリ君は左の手のひらに乗せた手裏剣を右手で払い上げるようにして連続発射しています。でも、使ってる手裏剣は放射線状に刃のついてる平型の手裏剣だからそんな投げ方をしたらうまく飛ばすのは至難の業だし、むしろ手の平を傷つける可能性が極めて高いのではないか。もしも殺傷能力を高めるために刃先に毒なんか塗ってあったら…いくらハットリ君がエリート忍者とはいえ悲劇の予感がぷんぷんです。ではいったいどうやっているのか?
世の中にはいろんなこだわりを持っている人がいて、いろんな団体があるわけですが、検索一発目で見つけてしまったのは「手裏剣普及協会・国際スポーツ手裏剣協会」。これはもう説明を加えるときりがなくなるので割愛します。興味のある方は覗いてみてください。結構感動できるはずです。
いい加減、長くなってしまってしまいました。手裏剣、忍者というテーマでここまで熱くなっている自分にびっくりしています。そろそろ論旨が不明になってきたので結論から言うと、ハットリ君の投げ方は、車剣という手裏剣を急回転打法で逆投げにして放つ飛ばし方と推測され、推奨射程距離は約3メートルです。で、これが正しい手裏剣の飛ばし方かというと、もちろんこれだけではなく持ち方、飛ばし方、フォーム、角度のつけ方、各種の技、流派などを組み合わせると相当な方法があるみたいです。
何事も奥が深いのですね。
手裏剣一つとってこれだから、忍術全体を極めるのにはそうとうの時間と気力が必要なのでしょう。どんなことでも一つの事柄を極めるのは大変です。忍術に憧れ、薬剤師に憧れ、将棋のプロ棋士に憧れた少年は、それでも今の専門にたどり着いて、さらにそれを極めんと日々努力しているわけです。さて、僕もそろそろ専門に戻って道を極めるべく今日も勉強に励もうと思います。どんな未来が待っているのか。にんともかんとも。にんにん。
もうのっけからため息の出るような日記ですが、小学校から高校くらいまでの間、時々突発的に忍者に憧れてどうすればこの近代国家20世紀日本において忍者になれるか真剣に考えたことがありました。
なぜ僕は忍者に憧れるようになったか。きっかけは当時放送されていた忍者ハットリ君のアニメを見たから。…と言えば、まあわからないこともないかもしれないですが、実は当時愛読していた「薬用植物百貨事典」に触発されたというのが本当のところでした。
僕は子どものころからどこにいっても運動神経ゼロというレッテルを貼られてしまうほど運動が苦手な子どもで、別に特別インドワ志向だったわけではないんだけれど、ともかくドのつく運動音痴でした。なので、体の機敏さを生かした職業としての忍者に憧れたわけではなく、どちらかというと忍びの術を用いて巧みに世を生き抜くみたいな、いわゆる闇のインテリヒーロー的なところに憧れを持ったわけです。
まあ、といっても本気で「もう僕の未来は忍者しかない」とか考えたわけではなくて、ちょっと日光江戸村や伊賀の里なんかで職業忍者としての需要があるなんてことを調べてどきどきしていた程度でした。じゃあ忍者に憧れた佐藤少年は実際に何をしていたのかというとお風呂で水団の術を試みて失敗して溺れかけたり、麻越えの鍛錬をしようとして、でも麻なんか容易に手に入らないから、毎日一部ずつ四つ折の新聞紙を積み重ねていって、その上をジャンプで飛び越える。で、すぐに限界が来て山積みの新聞に躓いて転び、ひざをすりむき半泣きになる、散乱した新聞紙を半泣きのまま片付ける、みたいな感じで可愛らしい子どもの一人遊びの域を出ないままあっさり終結していったわけです。
その他にも、例の百科事典を参考に怪しげな忍者食なんかを作ろうと試みたりしましたが、いずれも人間はおろか世のいかなる生命体にとって決して栄養とはなり得ないであろう物体が完成し、自作の手甲、水蜘蛛、マキビシも実用のめどが立たず、ついに独学での修行を断念。ひたすら当時習っていた剣道と書道の稽古に精を出したわけです。でも、今考えれば剣道と書道の稽古に打ち込むあたり、忍者に憧れる土壌は充分にあったのかもしれません。さらに言えば当時その他に熱を入れていたのは将棋、相撲観戦、大河ドラマ鑑賞、シソの栽培…う〜ん、いじめの対象になってもおかしくなさそうな子どもだなあ。
時は現代に戻って、最近論文執筆のために「日本人の伝統文化」という本を読んでいたんだけど、その中に「忍術」というコーナーを発見してしまいました。その中に手裏剣の投げ方が書いてあったんだけど、ふと「そういえば忍者ハットリ君のあの片ひざをついて右手で払い上げるような投げ方は実際のところありなんだろうか」と考え、次の瞬間にはパソコンの電源を入れていました。
さっき忍者ハットリ君に触発されたわけではないと書きましたが、もちろん僕もハットリ君のアニメは見ていました。その中でハットリ君が使う主要忍術といったら間違いなくあの手裏剣でしょう。そこで一つ思うこと、同じことを考えて実践し疑問を抱いた人も実は多いのではないかと思うんですが、あのハットリ君が手裏剣を投げるフォームは果たして実際に使用できるのか?と。
映像を見る限り、ハットリ君は左の手のひらに乗せた手裏剣を右手で払い上げるようにして連続発射しています。でも、使ってる手裏剣は放射線状に刃のついてる平型の手裏剣だからそんな投げ方をしたらうまく飛ばすのは至難の業だし、むしろ手の平を傷つける可能性が極めて高いのではないか。もしも殺傷能力を高めるために刃先に毒なんか塗ってあったら…いくらハットリ君がエリート忍者とはいえ悲劇の予感がぷんぷんです。ではいったいどうやっているのか?
世の中にはいろんなこだわりを持っている人がいて、いろんな団体があるわけですが、検索一発目で見つけてしまったのは「手裏剣普及協会・国際スポーツ手裏剣協会」。これはもう説明を加えるときりがなくなるので割愛します。興味のある方は覗いてみてください。結構感動できるはずです。
いい加減、長くなってしまってしまいました。手裏剣、忍者というテーマでここまで熱くなっている自分にびっくりしています。そろそろ論旨が不明になってきたので結論から言うと、ハットリ君の投げ方は、車剣という手裏剣を急回転打法で逆投げにして放つ飛ばし方と推測され、推奨射程距離は約3メートルです。で、これが正しい手裏剣の飛ばし方かというと、もちろんこれだけではなく持ち方、飛ばし方、フォーム、角度のつけ方、各種の技、流派などを組み合わせると相当な方法があるみたいです。
何事も奥が深いのですね。
手裏剣一つとってこれだから、忍術全体を極めるのにはそうとうの時間と気力が必要なのでしょう。どんなことでも一つの事柄を極めるのは大変です。忍術に憧れ、薬剤師に憧れ、将棋のプロ棋士に憧れた少年は、それでも今の専門にたどり着いて、さらにそれを極めんと日々努力しているわけです。さて、僕もそろそろ専門に戻って道を極めるべく今日も勉強に励もうと思います。どんな未来が待っているのか。にんともかんとも。にんにん。
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