be do have

2005年3月12日
一年の計は元旦にありといいますが、お正月に次いで目標を立てることが多いのはこの3月、4月あたりではないでしょうか。日本の学校や会社は4月スタートのところがほとんどなので、むしろ一年の計画や目標なんかを立てるには正月よりも具体性があって適当なのかもしれないですね。気温もだんだんあったかくなってくるこの時期「今年はいっちょうこれをやってやるか」なんて気持ちを新たにするにはいい季節ではないでしょうか。

ところで、まあ僕らは別に正月や春に限定されなくても常に目標を見つけては頑張ったりしているわけなんだけど、けっきょく長続きしなくって「あ〜あ、今年もまたダメだったよ(笑)」なんて笑い話のネタになってしまって、飲み屋で笑って消えていくケースというのは決して少なくはないと思う。

別にすべての目的に初志貫徹で取り組み、精進すべきだ!なんてことは思わないし、不言実行なんていうちょっとかっこよすぎることよりも有言実行、あるいは言うだけ言って結局やんなかった。なんていう有言不実行なくらいが愛嬌があっていいじゃないかと思ってるクチなんですが、人の話を聞いたりしていると、どんな現実的な目標であっても継続してとり組むのはなかなか難しいんだなと感じたりもします。

ただ、最近ちょっと気になるんだけど、みんな一体どんな目標の立て方をしているんだろう。僕の知り合いで毎回毎回目標を立てては計画倒れに終わるというパターンを繰り返している人とかいるんだけど、なんか途中で挫折する目標の立て方を見てると一つの共通点が見えてくる気がするんですよね。それは何かというと、いわゆる「be do have」の順序が問題なのでは、ということです。

「いわゆる」なんて書いた割にむしろ分かりずらそうな例えですが、どういうことかというと、失敗するパターンの場合、その多くは、be(目標)とdo(方法・実行)の動機の順番が逆なのではないか、あるいは力の入れ方が問題なのではないかなということです。

例えば、体重をあと5キロ痩せたいといってる人がいたとして、一念発起してダイエットに取り組んで失敗してやめてしまう。またはリバウンドして結局元に戻ってしまうなんていうのはよく聞く話だと思います。その人に、なんで痩せたいと思うのかと聞くとたいていかっこよくなりたいからとか健康になりたいとか答えるんだけど、そもそもその時点で動機の取り方がちょっと危うい気がするんですよね。

なんでかというと、例えば頑張って5キロやせたとします。その結果、今まで入らなかった服がスマートに着こなせてなんか体調もよくなったとして、それはそれでいいんだけど、その結果、一体その人がどうしたいかというのが実は一番重要なのではないかと思うんですよね。

例えばカッコよくなってかわいい女の子とつき合いたい、それは別にまったく悪いことではないんだけど、なんか漠然としていて動機としては具体性を欠いていて力がいまひとつ入りきらないような気がするじゃないですか。それよりもまずは、もう思わず走り出さなきゃ気が収まらないほど好きになる女の子を見つけることの方がよっぽど努力をするためのきっかけとしては強烈な気がします。

「これができたらこうしよう」と思っていては、いつまで経っても目標なんか達成できないのではないだろうか。昔、僕の卒業論文を指導してくれた先生が「論文は書きたいテーマが決まったら8割方終わったも同然」って言っていたんだけど、まさにこれはその通りだと思います。つまり、本を読んでから何を知りたいのか探すのではなく、知りたいことを知るために勉強する、本を読むということだと思います。お金を貯めたから金持ちになるのではなく、お金をたくさん手に入れるためにどうすればよいか考えたから金持ちになったというのは有名な言葉ですが、つまりはそういうことなのではないかと思います。

つまりは「be」、何がしたいのか、どんな自分になりたいのか、それが強烈に自覚できれば体はおのずと動いてしまうんだと思います。人とお酒を飲みながら、ご飯を食べながらする話や、映画や本や音楽や、世の中には夢や動機を作り出すスイッチがたくさん用意されていて、そんな中から生み出された「be」が「do」を生んで、結果「have」、何かを手にしていく、作り出していくというのが僕の理想とする流れです。

思えば6年前、どうしてもギターを弾きながら歌を歌えるようになりたかった僕はギターを買ってすぐに大宮駅に向かい、路上で弾いている人にコードの読み方を教えてもらって、たった5つのコードでできている曲をその場で1曲だけ覚えて、2時間も3時間も歌い続けていました。結局、6年経ってもそんなに上手になってないけど、今の僕が曲を作ったり大好きな仲間と一緒にバンドができてライブハウスで歌ったりしてることを考えると、あの時にとった方法は決して間違ってはいなかったんだろうなって思ったりします。ギターが上手くなるのが目標なのではなく、人前で演奏するのが目標であるということ。オシャレになることが目標なのではなく、服に詳しくなって周りの人にかっこいいと思われたいということ。知識をたくさん仕入れることが目標なのではなく、いろんな人とたくさんの話をしたいということ。一見同じことをしているようでもその人の「be」の捕らえ方によって内容も性格もまったく違うものになるのだと思う。

大学時代さんざん遊びほうけたおかげで今の僕にはたくさんの「be」があります。バンドも朗読も勉強もそうです。常に楽しいことを見つける努力、興奮できる毎日を探して来シーズンもいっちょうがんばったろうかなと思う初春の佐藤でした。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索