日本橋木屋の爪切り

2006年1月30日
日本橋木屋の爪切り
この間、母から爪切りをもらいました。

父が仕事の関係かなんかでもらったらしいんだけど、別に家族は前から家にあるやつで満足ということで迷わず僕のところにやってきました。

前にも日記に書いたんだけど、僕は中学以来ほぼ毎日のように爪切りをしていて、もう一種のゲン担ぎみたいになってるんだよね。で、部屋にはもちろん自分用の爪切りがあって、しかもなぜか3つもあるんだけど、最近はメインで使ってるやつ以外の刃がボロボロになってきてしまっていたので、ほくほくしながら喜んで受け取ったわけです。

で、その爪切りなんだけど、よく見たら、やたらちっこいわりにきちんとケースに入ってるんだよね。ケースから出してみたらやっぱり小さい。僕が今まで使ってたのは標準的な全長7センチのやつなんだけど(って言われても爪切りの長さをいちいち気にしてる人なんかあまりいないだろうが…)、これは4.7センチしかない。おまけに、刃も手持ちの部分も真っ黒であんまり見たことのない感じの爪切りだった。

まあ、小さいから旅行の時の携帯用なんかにいいかなって思いつつ(ちなみに僕は旅行に行く時の荷物リストにも「爪切り」が入ってるんだけど、アメリカ行ったとき手荷物の中に入っていたがために警報が鳴ってしまい、バックをひっくり返して大騒ぎになった。あの時、後ろの列に並んでた人たちから浴びた冷たい視線って言ったら…)、試しにちょっと指の爪を切ってみたら

パチンっっっ!

すっごいよく切れる!Σ( ̄□ ̄;)

山椒は小粒でもぴりりと辛いとはよく言ったもので(確かによく出来たことわざですが、この場合は使い方があってるのかやや微妙)小さいくせに今までに味わったことないくらい切れ味がよかった!確かに僕は爪切りをよく使うし、人並み以上に大事にはしてるつもりだけど、それまで、その爪切りがどこのメーカーのものかなんてことを気にしたことはなかった。でも、これに限っては、ほんと瞬間的に、一体どこの??と知りたくなってしまうほどのものだった。

爪切りの裏表をちらちら見てみたら、上のところに小さく「KIYA」と彫ってあった。さっそくネットで調べたら、この爪切りは創業1792年の刃物専門店、日本橋木屋の商品だった。

このお店、和包丁を中心とした老舗のお店で、ネットで注文できる商品だけで400以上も品数があるかなり有名なお店だった。検索したら、ちゃんと例の爪切りも出てきたんだけど、なんと販売量ナンバーワンの商品らしい。価格が630円だったのにも驚きだったけど(僕にとっては安い)、並みいる商品たちを押しのけて、販売量ナンバーワン商品だとは思わなかった。なるほど、さすがの切れ味。わかる人はわかるんですなあ。

って、まあ日常の特にたいしたことない一コマだったんだけど、ほんとね、びっくりしたんですよ。この爪切り。

で、思ったのはその老舗の看板の伊達じゃなさというかね。だって、ほんと見た目ふっつーのじっみーな爪切りなんですよ。でも、それを使った瞬間に、明らかに「普通じゃないぞ?!」って思わせてしまうすごさがあった。たかが爪切り、されど爪切り、本物ってのはやっぱりあるんだよね。最近、音楽や絵なんかでもそうだけど、そのもの以外のイメージとかを利用して一つの商品にする傾向がすごく強いと思う。それはそれで嫌いじゃないし、単純にアイドルのステージとかは見てて楽しいし、ポップアートの商品とかも大好きだけど、この日本橋木屋の爪切りからは、なんかものづくりの本質が見えた気がしてほんとにびっくりだった。一口に魅力と言ってもいろんな魅力が存在するんだけど、こういう本格派の持つ魅力、そのジャンルの本物だけだ持ちうる魅力について考えさせられる出来事でしたね。おまけにこの爪切りのおかげで、ますます爪切りにはまってしまいそうです。深爪に注意しつつ、今夜も深夜の一人爪切りは続く…

つーわけで、今までのメインはサブに降格です。ごめんちゃい!(* ̄▽ ̄*)

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